こんにちは、アレオです。
今回は、日本のゴルフ人口・マーケティングに関するお話です。

・ゴルフ人口の推移が知りたい
・ゴルフ人口ってなぜ減少しているの?
・具体的な解決策はあるの?
こんなお悩みにお答えしていきたいと思います。
今回は、ゴルフ人口の推移と人口減少の原因を解説。合わせて、減少に対する対策についても触れていきたいと思います。
ゴルフ人口の推移・トレンド
まずは、ゴルフ人口の推移・トレンドについてご紹介していきます。
ゴルフ人口の動向は、公益財団法人日本生産性本部が毎年行うレジャー白書という調査から知ることが出来ます。
1997年から実施されている全国調査で、日本の余暇活動(趣味)の実態を体系的に取りまとめたものです。レジャー白書はゴルフ以外の人口についても調査できますよ。
日本のゴルフ人口
日本のゴルフ人口は下記のような推移をしています。
平成13年には1,340万人いたゴルフ参加人口(一回以上プレー)が平成30年には670万人にまで減少していることが分かります。
たった15年で半数も減少しており、すさまじいスピードと言わざるをえません。
それに加え、グラフからこの現象傾向は今後も続くことが予想されます。
世界のトレンド
では日本以外の世界のトレンドはどのようになっているでしょうか。
下の画像はじゃらんゴルフが作成した、世界のゴルフ事情をまとめた画像です。(2015年時点でのデータをもとに作成されている)
出典:じゃらんゴルフ
日本のゴルフ人口は世界的に見て2位、ゴルフ場の数は3位となっています。
グラフを見て分かるのは、やはりアメリカの規模の大きさです。人口・ゴルフ場数ともに圧倒的ですね。
アメリカのゴルフ人口は、2005年に3,000万人のピークを記録したのちに、2012年に2,500万人近くまで減少しています。その後はグラフにある2,700万人程度まで回復。
減少率でみると、日本とほとんど同様のトレンドであることがわかります。
ゴルフ人口減少の原因とは
先ほどの解説で、日本におけるゴルフ人口の減少が著しいことが分かりました。
ではゴルフ人口が減少する要因はいったい何なのでしょうか?
この点について、世間で認知されている見解を紹介しつつ考えていきたいと思います。
ツイッター上で、ゴルフ人口の減少に対する見解に多くのリツイート(共感)が得られたツイートを2つピックアップしました。
ゴルフに対する価値観の変化
まず1つ目はこちらです。
「クルマ、ゴルフ、女」の話しか出てこない飲み会がツラいって気持ちめっちゃ分かる。たぶん原始時代にも焚き火を囲んだ男たちが石斧の作り方とか狩りとか女の話ばかりしている隣で(本当は壁画とか土偶の話がしたいんだよな……)って思ってるオタクがいたはず。
— Rootport◆月~金19:30YouTube配信してるよ (@rootport) April 22, 2018
2万回もリツイートされているこのツイート。「クルマ、ゴルフ、女」という言葉の並びが強烈ですね。
このツイートに対して、このような共感が得られています。
・ゴルフはおじさんがやるものという潜在意識
飲み会がつまらないというのが話の本題ではありますが、ゴルフに対する価値観の違いが十分感じ取れますね。
いわゆるおじさん世代はつきあいでゴルフをやる人が多い世代です。
一方で若者は、付き合いでゴルフをやることがなくなり、あくまで趣味の1つとしてゴルフを捉えてるというギャップがあることが分かります。
この価値観のギャップの違いを認識しない上司の会話と相まって、ゴルフに対する「接待でやるもの」というネガティブなイメージが感じられます。
経済的な理由
続いてこちらのツイート。
なんか、ゴルフ人口が減った理由が、もう笑えない。
「若者が自動車を買えないからゴルフ場まで行けない」
「若者が忙しくてゴルフ練習する暇がない」
「ゴルフ器具が高い」
「会社の上司にできる人が居なくなった」
まあ、20年も不況が続けば、そうなるかあ。— 鐘の音@C98落選 (@kanenooto7248) November 11, 2018
経済的な側面からゴルフを楽しむのは難しいという意見。20代の私から見て、かなり的を射た意見だと思います。
この意見から共感できるポイントは次の通りです。
・安くて時間や場所を選ばずに楽しめる趣味が他にいくらでもある
・周りにやっている人がいないから始めようがない
経済的な観点からも、若者の所得が減少しているのはまぎれもない事実です。
そんな時代において、ゴルフ代や車に手が回らないのは当然のことと言えます。
それに加えて、ゴルフはフットサル等の他の趣味に比べて時間的にも場所的にも制約が多い遊びです。合理的に趣味を選ぶと、ゴルフがかなり後回しになってしまいます。
原因を整理してみる
多くのリツイートがあった2つのツイートを紹介しました。ここで改めて原因を整理したいと思います。
価値観の変化
・付き合いでゴルフをする文化がなくなりつつある
・しかし「接待でやるもの」というネガティブイメージは健在
・ゴルフはあくまで趣味の1つとしての位置づけ
経済的な観点
・車を持つ余裕がない
・道具等にお金がかかる
主な理由として、時代背景に伴う価値観の変化と経済的な側面の2つの理由が挙げられます。
接待ゴルフという慣習がなくなっている今、ゴルフは趣味の1つとして魅力的なものでなければなりません。
時代にそぐわないものや合理的でないものはどんどん淘汰される世の中。ゴルフもまさに淘汰されつつあるものになっています。
ゴルフ業界のこれから
このような時代背景において、ゴルフ業界のこれからを考えていきます。
まずは業界の現状を簡単なポイントにまとめると次の2つです。
・新規プレーヤーが増えない(若年層)
・メイン層は50代以降
これらの現状を踏まえたうえで、業界のこれからを分析していきます。
団塊世代の引退ラッシュ
15年で人口が半減しましたが、ここからさらに減ることが予想されます。メイン層である団塊世代の引退ラッシュがこれから続くからです。
出典:じゃらんゴルフ
こちらのグラフからも分かるように、ゴルフ市場はシニア世代が支えています。
ですが年齢的な問題によって、今60代の方達の大半は10年後にはゴルフを続けていないでしょう。
新規のプレーヤーが増えない現状でメイン層が引退すると、ゴルフ人口がさらに減るのは間違いありません。
業界の衰退も必至
では具体的にどの程度の減少が見込まれているのでしょうか。
出典:じゃらんゴルフ
グラフから次のポイントが分かります。
→10年後1割減
・対象人口だけでなく、ゴルフ人口も減少
→10年で3割減のペース
高齢化によってゴルフがプレーできる人口が減少し、経済や文化といった時代背景によってゴルフ人口が減少するダブルパンチが発生しています。
その結果、10年で3割減少という驚異的なスピードを生んでしまっているんです。
ゴルフ人口増加に向けたアプローチ
次に減少するゴルフ人口を少しでも改善していくための方法をご紹介していきます。
ゴルフ人口を増加させるためには、次の前提を意識することが重要です。
①経済的・心理的なハードルを下げる
→若年層がゴルフを安く・気軽にプレーできる環境をつくる
②文化・価値観の変化
→純粋に娯楽として楽しいものという認識が広まる
とにかくゴルフを気軽に簡単にプレーできる環境を作ることが先決です。
プレーヤーの母数が増えなければ、ゴルフに対する価値観の変化が起きないからですね。
そこで、ゴルフの参入障壁を緩和する方法に焦点を当てて紹介していきたいと思います。
とにかく安く
シンプルですが、これに勝るものはありません。
若年層を対象にゴルフ料金を大幅に引き下げる取り組みを行うべきです。
そもそもゴルフ場の経営システム上、安価な客が増えたからといって人件費や維持費がその分赤字になるということは起こらないからです。
カートへの積み下ろし等をセルフにする、ロッカーやお風呂の使用が出来ない代わりに値段を下げるといったことも可能なはず。
一部のゴルフ場では、20代は料金が2割ほど安くなる所もありますが、これが当たり前のようになると良いかもしれません。
私もゴルフを始めた頃は、平日に20代が4000円でプレー出来るゴルフ場を頻繁に利用していました。このコースがあったおかげでゴルフを続けられたので、とてもありがたかったです。
スキー場復活を参考に
ゲレンデが社会人1年目や大学1年生にあたる19歳のリフト券を無料にしたことによって、経営状態を回復させつつあるという事例があります。
こちらのニュースは数年前に、テレビ等で報道されていましたね。
【連載・視点】19歳はリフト代タダ!業界を動かしたビジネスモデル
料金の引き下げによる一時的な売り上げの減少は覚悟して、それでもスキーをする人口を増やす選択が功を奏しました。
リフト券が無料になったことで、交通費やレンタルにかかるお金に余裕が出来ます。さらにその余裕分で道具を購入したりも出来るわけです。
スキーとゴルフの違いはあっても、見習うべきところは多々あると思います。
ゴルフに対する敷居を下げる
服装のルールや長時間の束縛を見直して、ゴルフに対する敷居を下げるべきです。
ジャケット必須といったドレスコードや、長時間束縛されるプレー時間が今の価値観とは相入れないからです。
パブリックなゴルフ場において、本当にドレスコードは必要なルールでしょうか?(あのオーガスタですら、ジャケット必須なんてドレスコードは存在しません。)
手軽に遊べる娯楽がいくつもある世の中で、合理的でないルールがあるゴルフが受け入れられないのは当然のことと言えます。
まとめ
今回はゴルフ人口の推移や、人口減少の原因について紹介しました。
最後にもう一度内容を確認しましょう。
・平成13年から30年にかけて、約半数の減少
・今後は10年間で3割減の予想がされている
・世界的にみても同様のトレンド
価値観の変化
・付き合いでゴルフをする文化の消失
・「接待でやるもの」というネガティブイメージ
・ゴルフはあくまで趣味の1つとしての位置づけに
経済的な観点
・若者(新規層)の所得の低下
・車や道具にお金をかける余裕がない
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